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小池さんのこと5

小池さんは猫好きだ。猫好きを通り越して猫たわけかもしれない。猫とかりんとうを食べていたり、コンソメのもとをなめていると言う歌があるとしみじみ猫たわけの哀れを感じる。

ある年の新年歌会に行って、二次会か三次会の途中帰る小池さんに「猫さんにもよろしく」と言ったら両手首をがっちり握って握手され「そういってくれるのおまえだけだよー」と言われた。お酒が多かったのだろうか?

犬は布団の中まで入ってこないが(と言うよりは入れないだろう)猫は寒いと入ってくる。まだまだ猫あんかの必要な時期、小池さんと猫は蜜月か?

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出会い喫茶

私がバスで通る繁華街に「出会い喫茶」と言う看板が出ている。以前そういう店の看板を全然別の場所で見つけたがとうとうここに…と言う感じである。
それが、その看板のあったところには先日まで「女性無料の漫画喫茶」と言う看板があった。これが早くもいけなくなって、出会い喫茶の看板が出ているのかもしれないし「女の子」を集めたので出会い喫茶にしたのかもしれないし、真相を確かめるのは危険なのでよすが、普通であった人間が喫茶店に行くわけだのに逆転している。作られた出会いなんてファンタスティックなことがまるでない。

お見合いと言うのは作られた出会いであるが、「結婚しよう」と言う実利的な面があるのでそれはそれでいい。

子供のころから大人の飲むような薬を、量を減らして飲んでいた。とはいえ七歳未満の子供のはそれも通用しないからどうしたのかは知らない。私はよく風邪をひいたので「改源」と言う和風の風邪薬を飲んでいた。もちろん本当に小さい子供なので耳かきで掬ったくらい飲むわけで、一包が何日かに相当した。少しはっかのような味がした。このすっとするところが好きで、なぜか風邪になったときよかったなとおもった。もうひとつは咳止めのブロン液。これは最近トリップするために服用したりする人間がいるので、子供に大人のものを与えるとは言語道断な話になった。これもほんの少しなめる。甘いのでもっとほしいといったら薬だからだめだと怖い顔をされた。

居眠り 教師と生徒

このごろ学校には暖房が入っているそうだ。大学には入っていたが、小中はストーブで、高校は全く入っていなかった。暖房があると居眠りするだろうなと思う。

高校のころ水泳の授業があった後の眠いことといったらなかった。何とか目を開けがんばっているが撃沈する。こういう居眠り生徒がたくさんいるとき教師はどうするか。

 自分の声をだんだん大きくしていく教師が多かった。教壇をじっとしていない教師と言う人間もいて、この人の場合は居眠り生徒めがけて歩いてくる。そしてすぐそばでぴたりと止まる。たいていの生徒はおきる。
 指名すると言う手もある。が起こされたての人間にまともなことはいえないもので、生徒は赤恥をかくのであまりそういうことはされない。
  予防的に授業と半分関係のない話をして興味をひきつけるという手もあるが水泳のあとと言う条件には、子守唄にしかならない。

 大学のとき体育のあとは物理学だった。この授業には人が来ない。ほんの四五名の学生を連れて教官は喫茶店で授業をした。ほかにも授業の合間に自ら自転車にまたがって大判焼きを買いにいき、学生に食べさせてくれる教官がいた。学生が行くといっても「大判焼きのことは僕のほうが詳しいです」とすっ飛んで行ってしまう。これはほんの数名しかいないから出来ることだろう。

毒見役

父は鼻が利く。二日前つけたコロンのにおいをかぎつけて変なにおいを枕につけるなという。この人はたいていのものを変なにおいと言う言葉で片付けると言うことはあるが鼻は利く。夏場何日か食卓に出続けているものがあると、あるいはあたったら大変そうな食べ物を毒見するのは彼である。においをかいでピクリと眉が動けばそれは食べてはいけないのである。もし家長の威厳と言うものが今でもあるならばこのときの父ほどそれにふさわしいものはないと思う。

たまに疑わしげに食べながら突然ストップをかけることもある。そんなこんなで私も鼻が利き、食べ物の変さ加減はよくわかるようになった。夫はまるでだめで、食べるなと言うものを食べておなかを壊しているときがある。



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