中学生のとき、なにをきっかけにしたのか有吉佐和子の本を読んでいた。中一の読書感想文に「複合汚染」中二で「恍惚の人」を書いた。それなりに理解していたはずである。恍惚の人は今で言う尊厳死のことなども考えた。祖父が癌で亡くなる直前であった。
ところがもう読むなと父が言うのである。この人は思想的に偏っているからだと。私は意味がよくわからなかったので不満だった。それ以来読みたい本はこっそり買って読んでいた。(しかし親は知ってはいたはずだ)寺山修司の本は、まさに偶然だった。隣の本を買おうとして間違えて「家出のすすめ」を買ったのだ。中学生には刺激が強すぎた。吐き気に近いものを感じたのですぐゴミ箱に捨ててしまったくらいだ。
小説ジュニアというティーンズの雑誌がたまたま店にあったのだ。立原あゆみの絵がかわいかったので買った。えらいものを買ってしまった、叱られると思った。で、物置の上のほうにこっそり隠した。でもばれるのは当たり前で、母に、こういう内容のものと知っていて買ったのか、と聞かれて知らなかった、と答え、以後こういうものは買わないようにといわれた。
うぶであった。
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