それでもってジャンジャン雨が降っていた。雨のときは絹物は着られない。木綿では寒そう。ポリは意外に寒い。薄手のウールを着た。正確には長じゅばんを麻にした。襦袢を着たところで、おお、腰紐が夫の体の下に敷かれている…夫を起こしてもかわいそうである。洋服にするか?中途半端に寒い。紫外線の問題もある。(雨でも紫外線は降ってくる)私は腰紐一本で着付けを敢行した。
着れば着られるものであるがかなりみっともない。と言うか直そうにも帯が伊達締めと胸の紐をかねているのだから直せない。伊達締めが二本家のどこかに潜んでいて、一本はかなりくたびれて、もう一本はずっと行方が知れない。伊達締めを買うのなら腰紐を買う。別に困らないから。
よそいきできれいに着付けることと、普段通勤したり買い物に行くのとは少し違う。ぎゅうぎゅうづめのバスに乗り、そのバスを捕まえるためダッシュし、ご飯を食べ、出すものを出し、キーボードを叩きコピー機に陣取り、機動性を第一に考える。脛が見えてもかまわず、腿が露にならねばよいとおもう。だって半ズボンやスカートなんてひざが見えるではないか。若い娘さんはもっと腿丸出しではないか。
でも着物から大根足が見えているのは男性には目の毒なのか、今日胡乱な御仁に付きまとわれて怖かった。
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