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私は中学へ入ったときにはすでに短歌や俳句や詩を書いていて、詩のほうは「中一時代」に入選を三回した(中二時代も含む)、短歌や俳句は私のすぐ上の世代で投稿欄はなくなったようだ。それで、岐阜市に住んでいる短大生のNさんに「私の作っている新聞に作品を寄せてください」と言うことになった。中学生の私はいぶかしむことを知らなかったのですぐに作品を送った。そうするとコピーされた手書きの新聞が送られてくるのだった。私は感激していた。
この新聞はなぜか学校に送られてくるので、私は担任からこれを受け取ったものだ。「らぶれたーらぶれたー」と担任はニヤニヤしていた。自分の作品が載っていることがうれしかったので、誰かがこれを読んでいるという事まで頭が回らなかった。
高校にはいるとこの人は、高校生や大学生でやっている同人誌に書かないかと言ってきて、ほいほいと言う感じで会員になった。が、あまり高校生の会員はいなかった(高校生は学校と学年が載る)ので少し疎遠な感じもあった。しかしこのときにまたもやIと言う短大生が「同人誌を作るから書け」(書けとは威圧的であるがもうちょっとくだけたというか、先輩が後輩に対するような感じでものを言われたのだ)と言ってきてストレスフルな学校生活のストレス発散に書いていた。
そのときとほぼ同時に彼から手紙が来た。吉本隆明の詩集ともう一冊詩集が同送されてきた。感想を書くと今度は真っ黒なおどろおどろしい装丁の本を送って来た。
埴谷雄高の「死霊」第一巻だった。
送られたからには読まねばならぬ、が、難しい上に気持ち悪いのだ。それを読んでいる私はクラスメイトが気味悪がって近寄らないし、教師もどうやら気味悪い、読んではいけないものを読んでいる生徒、と言う視線を向けてくるのだ。
(この人頭はいいんだろうけど気味の悪い人やなあ)正直そう思った。