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高瀬さんのこと2・永井さんのこと1

そしてその夏の名古屋での夏季集会(というのがある)に参加した。姉貴分がお前一人で宿を取るのは難しかろう、かといって会の側で用意している宿は高かろう、ここで待ってろといわれたホテルでまっているが待てど暮らせど彼女は来ない。家出少女に間違われていろいろ質問されるしもういや、というところへ「やあ、たこ焼き食うか?」

あほな姉貴はおいておいて、次の歌会では高瀬さんと永井陽子さんに会った。別に二人しかいないわけではないのだが、たくさんいすぎて覚えたのがこの二人だったというわけ。高瀬さんはいったいいくつなのか、定年過ぎてるのか、塩辛声というのはこういう声のことかと思った。高瀬さんは忙しそうだった。永井さんはおかっぱが長くなった感じの髪であまり肉感のない声で「でもそれって…でしょう?」と反論に精を出していた。

この歌会では高得点者に景品が出た。最後の最後で私が呼ばれた。本来なら時点だからもらえないのだが、まだ未成年だしがんばってやってきたのだからと永井さんが店を駆け回って探してきたものだった。瀬戸焼のイカの風鈴だった。わーいで住めばいいのだが風鈴は私の苦手なもののトップの品で風鈴がなると発狂状態に近くなる有様だった。風鈴は封印されたままミシンの中にしまわれた。

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