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というか大げさな反応をするのがおばあさんなので。(子供はまるで怪獣を見たような顔をするが、着物を見たことがないのかもしれない)
「あれあれあれ、ふぉふぉふぉ」
「ええきものをきとりゃあすなも、あつくないかね」
いやそのこれは化繊だから三千円なのでして、そんなにいいものではありません。しかし、ふぉっふぉっはどういう意味か。
名月を過ぎて、名古屋はまだ暑い。しかしさすがに袷を着ないといけない。今日は岐阜のクリニックに行ったら、長羽織を着ていたにもかかわらず快適だった。岐阜のほうが冬は寒いのだということは経験則と知っているが、秋もそうだったか。
長羽織というのは袷の羽織で丈が(私の場合)ふくらはぎの上まである。ほとんどコートじゃん、と思いながら歩く。羽織だと半幅帯ですむし、楽ちんである。
ところが何度も引っ張ったりトイレで捲り上げたりしているうちに帯が緩んだのか道の真ん中ですっぽんと落っこちてきた。苦しくない程度に締めておくべきだ。
ところで私が持っている着物はポリかウールだ。ひとつ紬があるがこれは大事に取ってある。紬の意味がまだよくわからないのだ。もちろん大島紬では絶対にない。
医師は私に木綿を着るよう勧めているが木綿は意外に高い。昔はそうでもなかったと思うのだが。
着物と洋服、トイレではどちらが速いか、着物が速いと思う。(振袖とかは別)ばっとまくってしてしまえばすむ。湯文字という下着があってこれだとパンツを下げる必要がないかもしれない。私は手が若干不自由なせいか、ボタンをはずしてはジッパーを下げ、はずしては下げしているうちにもれてしまう。
おしっこがでないように水分を制限するという考え方もあるが、水分がないと私は耐えられないほうだ。ばっとまくるにかぎる。
ただし後は乱れを正すこと、今日半幅帯が道の真ん中ですっぽりと下に落ちてきてびっくりした。居合わせた背広の男性もびっくりしていた。
十月から五月までは袷の季節。袷は裏に布地がついている着物のこと。
しかし、正直言って暑いので、単衣を着ている。学校の制服に合服があって、しかもそのカーディガンを腰に巻いている高校生がいるということはやはり暑いのだ。
しかし中年以降の女性は長袖で、要するに若い人は夏の格好が基本で、年取った人は秋の服。
こういうばやいはどうしたらよいのだろうか。
今朝病院で名古屋帯を締めるのに苦労していたら締めてくれた人がいた。ある程度の年齢の人は着物を着れるばかりか人のもきっちり着せてくれる。
私の母も着物は着ることができるが、今の時代必要ないと私にも妹にも教えなかった。妹は結婚後着付け教室に通った。私は路上で恥かき汗かき覚えている。